煙突は断熱性能が一番大事!
薪ストーブの性能を効率よく引き出すためには
煙突の性能と煙道の設計が重要です。
なかでも煙突の性能がたいへん重要になっています。
薪ストーブの燃焼効率を高めるためには
常に新しい空気を取り込む必要があります。
新しい空気を取り込むためには
燃焼後の排気をスムーズに逃がしてやり
煙突内の排気の引き(=ドラフト)を
適切に発生させなければなりません。
燃焼後の排気は十分に暖められているので、自然と上昇していって排出され、排気の引き(=ドラフト)が発生することにより、自然と炉内に新しい空気が取り込まれ燃焼が促進されます。
この排気の途中で排気温度が下がると上昇力が弱まり、排気の引き(=ドラフト)が弱くなります。これにより適切に炉内に空気が取り込まれなくなるので、薪ストーブの燃焼効率が悪くなってしまいます。
排気温度が下がる原因は、屋内にしろ屋外にしろ煙突が直接外気に触れることです。煙突の温度が下がると、その煙突内を通る排気の温度も下がるからです。
排気が冷やされると燃焼効率が悪くなるだけでなく、排気が煤(すす)やタール・クレオソートと呼ばれる液体になり煙突内面に付着します。そうなると、煙突排気口が狭くなり更に排気効率が悪くなります。また、タール・クレオソートは最悪の場合煙道火災の原因にもなります。
このような排気温度の低下を防ぐために、有限会社トーワでお勧めしている煙突は、二重断熱の煙突です。この二重断熱構造の煙突を使用すると、屋内外の外気に触れても煙突内の排気温度の低下をできるだけ防ぐことができます。そして、最適な排気の引き(=ドラフト)を発生させて燃焼効率を上げ、薪ストーブの性能を効率よく引き出すことができます。
煙突の取り回しも大事!
煙突の設置や取り回しも、薪ストーブの性能を効率よく引き出すためには重要です。
まずは、煙突の内径(煙突の太さ)です。薪ストーブと煙突の接合部分の内径は、燃焼室の大きさと熱出力から必要な排気量を計算して設計されていますから、それぞれの薪ストーブに合った内径の煙突でなければなりません。
次に、煙突屋外部分の排出口は適切な高さに配置する必要があります。
屋根に風がぶつかると空気が回り込んで周辺よりも気圧が高まる空間が生まれます。これを風圧帯とよびます。
この風圧帯の中に煙突の排出口を設置すると排気がスムーズに行われなくなります。場合によっては排気が薪ストーブ炉内に逆流(=バックドラフト)してしまいます。煙突の排出口は、この風圧帯を避ける高さに設置しなければなりません。
そしてもっとも重要なのが、煙突の取り回しです。
薪ストーブは自然な上昇気流だけで排気の引き(=ドラフト)を発生させて、炉内に空気を取り込んで燃焼しています。
そのため、理想的な煙突の取り回しは、まっすぐ垂直に立ち上げることです。また、煙突の高さも本体から排気口まで4m以上必要です。
2階より上に部屋がある場合や、屋根が瓦などの場合は、どうしても曲げなければなりませんが、できるだけ横引き部分を短くし(1m以内)、曲がりの使用をできるだけ少なくすることが必要です。
薪ストーブのご相談は専門店へ!
新築の住宅に取り付ける場合には、薪ストーブ専門店や工務店などに相談し、設計の早い段階で薪ストーブの設置と煙突の取り回しを組み込んで設計しましょう。また、薪ストーブを導入する場合も、薪ストーブ専門店に相談して、最適な設置場所の選択と煙突の取り回しをしましょう。
また、薪ストーブを長く良好な状態で使うには、メンテナンスや保守点検が大切です。薪ストーブ本体は、たまった灰の除去、ドアパッキン、ガラスパッキン、バッフルプレート、耐火レンガ等消耗部品の点検と交換が必要です。錆が発生した場合は錆落とし塗装です。
煙突の点検は、薪ストーブを使用するシーズン前に行いましょう。煤(すす)がたまっている場合は、掃除の必要があります。またオフシーズン中に煙突内に鳥が巣を作っている場合もあります。長期間安全に使用するためにも、ぜひシーズン前に保守点検をおすすめします。
慣れてくればご自身で薪ストーブ本体や煙突のメンテナンスができるかもしれませんが、念には念を入れて、ぜひ薪ストーブ専門店にご相談ください。